こんな時代だからこそ持っておきたい保存食。賞味期限が長く場所も取らない缶詰は非常用の備蓄に最適だ。そんな缶詰の中でも珍しく米が入っているのが吉野家の缶飯とサンヨー堂の弁当缶詰である。
缶詰しか食べるものがない時を想定すると、やはり我々日本人は米を食べたくなるに違いない。そして、どうせならウマイ米を食べたいものである。そこで、吉野家の缶飯「牛丼」とサンヨー堂の弁当缶詰「牛めし」を食べ比べてみることにした。
・価格差2倍
まず、価格だが、吉野家の缶飯「牛丼」はサイトでの通販価格は6缶で税込4860円。つまりひと缶810円と結構高級である。対して弁当缶詰「牛めし」はサイトの製品紹介に定価が書かれていないが、Amazonにサンヨー堂が出品している価格が2個セットで875円(438円/個)なので、これが定価と考えて良いかもしれない。およそ2倍の価格差である。
ちなみに、ディスカウントスーパーのオーケーストアでは、缶飯が税抜き582円、弁当缶詰が税抜き291円なので、ここでもやはり価格には2倍の開きがあった。はたしてこの価格差は味にも影響しているのだろうか? さっそく食べ比べていきたいと思う。
・吉野家は常温でも食べられる
吉野家の缶飯は常温でも食べられるが、サンヨー堂の弁当缶詰は湯煎を15分して食べるものだ。そこで、できるだけ条件を合わせるために、吉野家の缶飯も湯煎することにした。なお、缶飯のパッケージによると、湯煎する場合は10分が目安のようである。
というわけで沸騰したお湯に2つをドボン。まずは、10分で缶飯をサルベージして、15分後に弁当缶詰をサルベージする。熱湯で缶詰もチンチンに熱せられているためトングで取り出し……
タオルを使ってフタを開けると……
見た目から全然違う2つの缶詰。
・より「ごはんっぽい」缶詰
以前の記事でもご紹介した通り、サンヨー堂は細切れの肉が入った炊き込みご飯のような質感だが、対して吉野家はつゆだくでトロッとしている。まずは吉野家から食べてみたところ……
うん。おじや。
つゆに米が溶け込む感じは牛丼というか牛雑炊というイメージだ。米が炊きたてみたいなサンヨー堂と食べ比べると、そんなおじや感がより顕著である。正直、サンヨー堂の方が粒が立っておりモチモチで、圧倒的に「ごはん」だ。
・店で味わえない吉野家らしさ
とは言え、それは良し悪しではなく、ただの違いであるような気もする。あなたは考えたことはないだろうか? 「吉野家のつゆでおじや作ったらどんな味になるんだろう」と──。
想像してみてくれ。吉野家のつゆが存分に染み渡ったおじやを。牛丼のような薄切り肉に、フタを開けた瞬間、ふわっと香り立つ吉野家臭を。むしろ牛丼以上に吉野家を味わっている気さえする。店では食べられない牛雑炊としては最高なのだ。
ちなみに、缶飯をおかずに弁当缶詰を食べたらなかなかウマかったことを追記しておきたい。質感が違う缶飯は、ご飯のお供みたいな使い方でも意外と違和感がなかったぞ。
・それぞれのごはん
最後に、それぞれのサイトで賞味期限を確認したところ、吉野家の缶飯は製造後3年で、サンヨー堂の弁当缶詰が製造より5年。エネルギーは吉野家が289kcalでサンヨー堂が315kcalだった。
保存食としてはサンヨー堂が強い気がしなくもないが、どちらが良いかは、保存食や非常食に何を求めるかで変わるだろう。どんな状況でも、食べ物がウマイとちょっと救われる。あなたがアガる味は、ごはんか吉野家か? 保存食購入の参考になれば幸いだ。
参照元:吉野家、サンヨー堂、Amazon
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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【カフェオレ天井落とし】って!?名古屋喫茶はここまでスゴイ「喫茶ツヅキ」
(C)TOSHI
「脚立の上からカフェオレを淹れる、有名な店がある」と生粋の名古屋人から聞きました。「わざわざ脚立の上からカフェオレ淹れてくれるって、きっとなかなかの人だ」と興味を抱き、ご本人を取材しました。どんな方でしょう!?
看板にも、ちゃんと書いてある「日夜研究するコーヒー野郎の店」
(C)TOSHI
名古屋市中村区。こちらの2階に、「カフェオレ天井落とし」で有名な「喫茶ツヅキ」があります。
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「ユニーク珈琲を日夜研究する コーヒー野郎の店」
看板にも、ちゃんと書いてあるんですよ。
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ちなみに創業は昭和21年(1946年)、70年以上の歴史がある老舗です。
看板に偽りなし!「コーヒー野郎」が日夜研究、「カフェオレ天井落とし」が生まれるまで
(C)TOSHI
こちらが、脚立の上からカフェオレを淹れる、「カフェオレ天井落とし」を考案されたオーナーの都築憲幸さん。2代目になります。
日本全国の喫茶店めぐりをしている時に、東京・銀座の喫茶店でコーヒーとミルクを別々に入れるカフェオレに出会い、衝撃を受けました。
それから、高いところから淹れるカフェオレのパフォーマンスが始まったのです。
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今では、脚立と別々のポットを使い、コーヒーとミルクを同時に、約2.5メートルの高さから、カップに注ぐカフェオレのパフォーマンスが人気。高い位置から淹れることにより味はまろやか、泡は「30分も消えないほどふわふわ」。
(C)TOSHI
そして何より、このパフォーマンスでお客さまが喜んでくださるので、これからも脚立からカフェオレを淹れます、とのこと。
都築:そうでしょうね。うちはカップも違うからね。
(C)TOSHI
都築:このパフォーマンスは昭和48年(1973年)からやっているの。高さがだんだん上がって・・・(立ちあがって)これくらいの高さになった。
都築:好評で、テレビに出てから全国からもお客様が来るようになって。でも、ある程度から、それより上にポットが上がらなくなったんです。
都築:それが、名古屋の世界デザイン博覧会(1989年)で外国製のいいカップを見つけて、それを使うと、もっと高いところから淹れても、カフェオレがこぼれないことに気がついたんです。
都築:カップにもこだわるようになって、それから、数メートル上に上げるのに、数年かかりました。
まさに看板に偽りなし。「コーヒー野郎」が「ユニーク珈琲を日夜研究」して、「カフェオレ天井落とし」が生まれたのです。
今では3代目がその技を受け継ぎ、運がよければ、親子共演が見られる場合もあるそうです。
【あの人も】今や全国、世界から人が。そしておいしい「喫茶ツヅキ」
(C)TOSHI
ここは取材が多く、有名人もたくさん来店しました。憧れのあの人が来た、珍しいパフォーマンスが見られるお店ということで、今や日本全国、そして、世界のいろいろな国から人が来るそうですよ。
それと、「喫茶ツヅキ」は、非常においしいお店です。
(C)TOSHI
こちらのカフェオレも、凄く美味。脚立の上から淹れることによって、ミルクがよりまろやかになる感じで、温度がちょうどよくなるんです。
熱いのではなく、とてもあたたかくて、とても優しくて、ミルキーなカフェオレでした。
実はカフェオレは別に好きではなかったのですが、ここのだったら毎日でも飲みたいです。今まで飲んだ中で一番おいしいカフェオレだったのです。
これをフランス人に話したら、もの凄くびっくりされました。でも本当なのですよ。
(C)TOSHI
素材もいいのでしょう。パフェの生クリームやアイスクリーム、フルーツ、幻のコーヒーといわれるコピ・ルアック、みんなおいしくて感心しました。モーニングもあります。
都築:うちはコーヒー、パフェ、サンドイッチ・・・すべて「生きている」ことがモットーです。
この日、おじいさんからお孫さんの3世代、5人で来ていた方がいて、20代くらいの女性が「カフェオレ天井落とし」を体験していましたが、「ちっとも怖くなくて、楽しかった」と言います。
おじいさんから、「ここのフルーツ、おいしいねえ」と言われた都築さんはとても嬉しそうで、しばらく話をしていました。
(C)TOSHI
その時、「名古屋って本当にいい街だな」とあらためて思いました。そして、「名古屋にはきっと、独特の喫茶文化があるのだ」という気がしたのです。
筆者は他県の出身の、名古屋市民ですが、有名な名古屋モーニングもほとんど食べたことがありません。考えてみれば、ほぼコーヒー代、ドリンク代のみのお得な値段で「朝食」が楽しめるなんて、家族全員で朝から来てもいいなんて、豊かですね。
生の名古屋人の生活を少しでも体験できた、近くの素敵な旅でした。
住所 愛知県名古屋市中村区太閤通6-1 ツヅキビル2F
電話 052-482-0001
公式サイト http://kissatuzuki0.wixsite.com/kissatuzuki
公式ブログ http://ameblo.jp/kissatsuzuki/
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